化学工学用語集 物性

【過剰ギブス自由エネルギー】を解説:理想系からのずれを表現

2020年11月13日

概要

実在混合物のギブス自由エネルギーgと理想混合物のギブス自由エネルギーgidの差を過剰ギブス自由エネルギーgEといいます。

$$g^{E}=g-g^{id}・・・(1)$$

(1)式で過剰ギブス自由エネルギーは定義されます。

実在と理想の差は、理想状態からどれだけ非理想的な振る舞いをしてずれているかを示し、このずれを過剰量と呼んでいます。

理想混合物のギブス自由エネルギーは簡単に求められますから、後はこの過剰量さえ表すことができれば実在混合物のギブス自由エネルギーを求めることができます。

過剰ギブス自由エネルギーと活量係数

過剰ギブス自由エネルギーと活量係数は実は深い関係にあります。

$$ΔG_{mix}=ΔH_{mix}-TΔS_{mix}・・・(2)$$

混合物のギブス自由エネルギーは(2)式で表されます。

ここで理想混合物について考えます。理想混合物ではΔHmix=0となります。
また、ΔSmixエントロピーの記事で導出した通り、

$$ΔS_{mix}=-R(n_{1}lnx_{1}+n_{2}lnx_{2})$$

となります。これらを(2)式に代入すると、

$$ΔG_{mix}=g^{id}=RT(n_{1}lnx_{1}+n_{2}lnx_{2})$$

一般形としてまとめると、

$$g^{id}=RT\sum_{i}n_{i}lnx_{i}・・・(3)$$

となり、(3)式が理想混合物のギブス自由エネルギーgidとなります。

一方で実在混合物のギブス自由エネルギーgは活量係数γを使用して

$$g=RT\sum_{i}n_{i}lnx_{i}γ_{i}=RT\sum_{i}n_{i}(lnx_{i}+lnγ_{i})・・・(4)$$

(4)式で表されます。
(3)、(4)式を(1)式に代入すると、

$$g^{E}=RT\sum_{i}n_{i}lnγ_{i}・・・(5)$$

過剰ギブス自由エネルギーgEが(5)式で表されます。

ラウールの法則が成り立つ理想溶液の場合はγ=1となりますが、そのとき(5)式からgE=0となり、理想状態からのずれがないことが確認できます。

したがって活量係数γを算出することで過剰ギブス自由エネルギーgEを知ることができます。

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