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P&ID プラント設計

【P&ID】配管・計装系統図について解説:プラント設備の情報を記載した図面

2024年1月15日

概要

P&ID(Piping and Instrumentation Diagram)は日本語で配管・計装系統図といい、プラントの製造工程を流れに沿って詳細に図示したものです。

読み方はそのまま"ピーアンドアイディ"と読むことが多いです。

配管を含むプラントがある工場で働くにあたっては、P&IDから情報を読み取ることが業務上必要となってきます。

一方で大学でP&IDについて習うことはほぼなく、入社して始めてP&IDを見た、という人がほとんどでしょう。

本記事ではP&IDの基本的な情報について記載しています。

P&IDの基本情報

P&IDの記載例を以下に示します。(配管番号や計器番号は省略しています。)

このような横長のシートで作成されることがほとんどです。

P&IDはどこのエリアにどんな情報を記載するか、ある程度決まっています。

以下の図に大まかな記載内容とエリアを示します。

上の記載例をもとに各エリアについて紹介します。

タイトルボックス

P&IDの右下にタイトルボックスを設置し、以下のような情報を記載します。

  • 客先名とロゴ
  • プロジェクト名称
  • 図面タイトル
  • 図面番号
  • 改訂番号(Revision Number)
  • 図面の作成者や承認者の名前

このP&IDがどのような位置付けの図面なのかわかるような情報をタイトルボックスに記載します。

もちろん載せる情報はメーカーによって異なりますが、上に挙げた内容くらいは最低限必要でしょう。

改訂履歴(Revision Log)

P&IDはプラントの建設プロジェクトの進行に伴って、各検討段階で発行され、改訂されていきます。

タイトルボックスの上あたりに改訂のログを記載することが多いです。

よく記載される例としては、

  • 社内レビュー用発行(IFIR:Issue for Internal Review)
  • 顧客承認用発行(IFA:Issue for Approval)
  • 詳細設計用発行(IFD:Issue for Design)
  • 工事用発行(IFC:Issue for Construction)
  • 記録用発行(IFR:Issue for Record)
  • 竣工図(As Built)

等が挙げられ、改訂されるたびにリビジョンの数字が増えていきます。

P&ID間の接続情報

P&IDのプロセスラインは原則として、上流から下流に流れるように表示されます。

図面上では左から流入し、右から流出するように記載されます。

ただし、用役(ユーティリティ)ラインはこの原則に当てはまらないことも多く、右から流入し左から流出することもあります。

 

流入流出の向きは図形で示され、図形中にはこのP&IDへの流入前・流出後のP&ID図面番号や機器情報を記入することが多いです。

また、流入流出の上下の位置は流出側と流入側で合わせるのが望ましいですが、ラインが無駄に交差するなど複雑化する場合は、必ずしも合わせる必要はないです。

シンボル上段

P&IDの機器シンボルは、配置する場所がおおまかに決まっています。

構造物(ストラクチャー)や架台の上に設置する機器(コンデンサや還流槽等)はシンボル上段に設置します。

シンボル中段

主に地上に設置される機器(槽、塔、熱交換器等)はシンボル中段に設置します。

シンボル下段

ポンプ等の回転機はシンボル下段に設置します。

機器仕様

P&ID上部に簡単な機器仕様を記載します。

どこまでの情報を書くかは各社によります。ここでは機器仕様例を以下に示します。

  • 機番
  • 機器名称
  • 機器サイズ(槽なら体積、熱交なら伝面、塔なら内径×高さ)
  • 機器材質

回転機仕様

P&ID下部に簡単な回転機の仕様を記載します。

同様に各社によって内容は変わりますが、ここでは回転機仕様例を以下に示します。

  • 機番
  • 回転機名称
  • 吐出流量
  • ヘッド
  • 回転機材質

注意事項(NOTE)

機器の詳細設置や配管設計上の注意事項がある場合は、基本的にその機器や配管の周りに注意事項を記載するのが望ましいです。

しかし図面のスペースが狭く記載できないことが多々あるので、別途注意事項(NOTE)として記載する欄を設けることがあります。

まとめ

P&IDについて解説しました。

業務で何度も読んでいると、そのうち自然に読み方が身に付いてきます。