物性 技術記事

化学工学における物性定数推算法の重要性

2020年10月12日

概要

化学工学という分野はプラントにある機器を設計するための学問であり世の中の産業に直接貢献できるため、非常に実用的である意味泥臭いイメージを多くの方が持っていると思います。

私自身もそのようなイメージで化学メーカーに転職し働いてきましたし、そのイメージは決して間違ってはいません。
自分で検討し設計したプラントが自分の検討通りに動いたときの感動はひとしおです。

しかしその一方で最近感じるのがものづくりの現場とは程遠い化学物質の物性推算の重要性です。

物性推算について深く知見のある方は物性の把握こそがプラントの安全運転や効率化に繋がることを理解されていますが、そうでない方にとっては興味が湧きにくい分野だと思っています。

興味が湧かない理由としては

・難しい、なんだかよくわからない
・実務にどう繋がるのか、役に立つのかわからない
・商用のシミュレーターが勝手に物性計算してくれるので表面上は困らない

ということが挙げられるのではないでしょうか。

物性推算式は種類によってはとても複雑で理解しきるのが難しいものが多々あります。
最近ではAspenなどの商用のシミュレーターが化学メーカーには普及しており、ユーザーが細かく物性推算式を理解していなくてもシミュレーターが勝手に補完してくれます。

シミュレーターは便利ではありますが、ときには間違った物性推算手法で機器を設計してしまうリスクを孕んでいます。

自分は化学メーカーに入社して3年経ち、実務も少し慣れて落ち着いてきましたが、最近の検討で一番悩むのはやはり物性推算です。

物質収支や熱収支は生産技術で数年働けば嫌でもできるようになります。
しかし物性推算は違います。

能動的に勉強しようとせずシミュレーターに頼りきりでは、あっという間に10~15年経って実務部隊から管理職等のマネジメントに移されてしまします。

実際に弊社の生産技術には物性推算についてよく知らない管理職が山ほどいます。
そして知らないが故に若手にも教えられず同じ道をたどらせてしまいます。

ということでこのブログでは機器設計に役立つ物性推算法と関連知識について少しずつ記事にしていこうと考えています。

私自身も物性推算についてはまだまだ理解が浅いため勉強しながら記事を発信していく形となりますが、何か一つでも見てくださった方の役に立てば幸いです。

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