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化学工学 熱力学

【Amagatの法則】を解説:気体混合物の体積計算で使用

2021年3月7日

概要

気体混合物の体積が、同温・同圧下での各ガス成分の純物質体積の和になることをAmagat(アマガー)の法則といいます。

例えば第n成分が混合しているガス体積を式で表すと、

$$V_{m}=V_{1}+V_{2}+V_{3}+・・・V_{n}$$

Vm:混合物の全ガス体積、Vn:第n成分のガス体積

となります。

ガス混合物の体積を計算するときは、おそらく皆さん当たり前のように足していると思いますが、実はちゃんとした法則名があったわけです。

加成性の拡張

理想気体の状態方程式およびDaltonの法則を使用することで、Amagatの法則を拡張することができます。

ガス混合物の各成分に対して理想気体の状態方程式を立てると、

$$PV_{1}=n_{1}RT・・・(1)$$

$$PV_{2}=n_{2}RT・・・(2)$$

となります。全ての式の辺々と足し合わせると、

$$P(V_{1}+V_{2}+・・・)=(n_{1}+n_{2}+・・・)RT$$

となります。

Amagatの法則により、

$$PV_{m}=n_{m}RT・・・(3)$$

nm:混合物の全モル数

となります。

(1)、(2)式を(3)式で割ると、

$$\frac{V_{1}}{V_{m}}=\frac{n_{1}}{n_{m}}=y_{1}・・・(4)$$

$$\frac{V_{2}}{V_{m}}=\frac{n_{2}}{n_{m}}=y_{2}・・・(5)$$

y1,y2:第1,第2成分の組成

(4)、(5)式となります。
つまり、各成分のvol%とmol%は一致することを表わしています。

また、Daltonの法則から、

$$y_{1}=\frac{p_{1}}{π}・・・(6)$$

$$y_{2}=\frac{p_{2}}{π}・・・(7)$$

p1,p2:第1,第2成分の分圧、π:全圧

気相組成yは全圧と分圧の関係で表されます。
(4)~(7)式をまとめると、

$$y_{1}=\frac{p_{1}}{π}=\frac{V_{1}}{V_{m}}=\frac{n_{1}}{n_{m}}$$

$$y_{2}=\frac{p_{2}}{π}=\frac{V_{2}}{V_{m}}=\frac{n_{2}}{n_{m}}$$

となり、混合気体の組成(vol%かmol%)と全圧がわかっていれば、各成分の分圧が計算できます。