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公害防止 資格

【大気概論】公害防止管理者の出題分野を解説

2021年2月19日

概要

公害防止管理者大気1種に合格したブログ管理人が、過去の出題傾向から頻出分野を紹介するシリーズです。

やみくもに参考書を読んだり過去問を周回するよりは、最初にある程度出題傾向や頻度を把握した方が効果的です。

出題分野ごとに傾向を解説していますので、資格勉強の方針を決める参考になればと思います。

この記事では大気概論についてまとめています。

出題分野

大気概論での全体の出題分野を以下の表に示します。

出題分野問題数
大気汚染防止法2~4
大気汚染の現状2~4
大気汚染の発生機構と発生源2~4
大気汚染による影響1~2
国又は地方公共団体の大気汚染対策0
合計10

大気概論は年々各分野の出題数が変わってきている分野です。
ここ最近は

大気汚染防止法:4問
大気汚染の現状:3問
大気汚染の発生機構と発生源:2問
大気汚染による影響:1問
国又は地方公共団体の大気汚染対策:0問

という出題数となっています。

10問中6問取れば合格です。
全ての分野をきっちり勉強するのが理想ですが、出題頻度を考えると割に合わない分野もあります。

資格勉強にあまり時間を割けない人は、点を取りやすい分野に絞って勉強するのがよいでしょう。

大気汚染防止法

令和から傾向が変わり、この分野から4問程度出題されています。
平成の頃から年々出題数が増えており、重要度が増しています。

大気汚染防止法に関して、具体的な内容が問われます。
排出施設の設置や届出など幅広い分野から出題されるため、勉強にはそれなりに時間を要します。

しかし参考書を詳しく見てもらえばわかりますが、公害防止管理者として資格取得後に最も必要となりそうな分野でもあります。

そういう意味合いで年々出題数が増えてきているのかもしれません。

公害防止組織の整備に関する法律

頻出分野です。
分野としては幅広そうなイメージがありますが、実際に出題された問題はパターンがある程度決まっています。

ばい煙や一般粉じん施設等に該当しないものを答える問題や、大気関係公害防止管理者の業務として定められていない事項を答える問題がよく出題されています。

大気関係公害防止管理者の業務として定められている事項を下の表にまとめました。

使用する燃料又は原材料の検査
ばい煙発生施設の点検
ばい煙発生施設において発生するばい煙を処理するための施設及び
これに付属する施設の操作、点検及び補修
ばい煙量又はばい煙濃度の測定の実施及びその結果の記録
測定機器の点検及び補修
特定施設についての事故時における応急の措置の実施
ばい煙に係る緊急時におけるばい煙量又はばい煙濃度の減少、
ばい煙発生施設の使用制限、その他の必要な措置の実施

公害防止管理者としてやらなければいけない仕事についての内容なので、出題頻度が高いのも当然ですね。

ばい煙の排出の規制等

ばい煙の排出に関して出題されています。
ばい煙に関する内容は出題頻度は高いものの、範囲が広く全て覚えきるのは難しいです。

設問中の語句で誤っているところを答える問題や、語句の組み合わせを答える問題がよく出題されますので、キーワードを押さえながら勉強するのがよいでしょう。

揮発性有機化合物の排出の規制等

揮発性有機化合物の排出に関して出題されています。
ばい煙より出題頻度は低いですが、たまに出題されています。

捨てるかどうか微妙なラインの分野です。

一般粉じん・特定粉じんに関する規制

粉じんに関して出題されています。
揮発性有機化合物よりさらに出題頻度は低いです。

時間がなければ捨てていいと思います。

水銀等に関する規制

水銀単独の内容の設問は出題頻度が低いのですが、令和2年に出題されました。
ノーマークだった受験者も多かったのではないでしょうか。

時間に余裕がなければ他の分野を優先して勉強しましょう。

有害大気汚染物質対策の推進

この分野も過去にはほとんど出題されていませんでしたが、令和2年の試験で出題されました。

さっとキーワードだけ押さえるくらいの勉強はしておいた方がよさそうです。

大気汚染の現状

大気汚染物質の環境基準や3年ほど前の年の達成率が、3問前後出題されています。
頻出分野で毎年の出題形式も似ているため、対策が立てやすくぜひ正解したい分野です。

大気汚染物質の環境基準

大気汚染物質の環境基準が出題されています。
頻出なので全て確実に覚えましょう。

特によく出題される6つの大気汚染物質の環境基準を下の表にまとめました。

大気汚染物質環境基準
二酸化硫黄1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、
かつ1時間値が0.1ppm以下である。
二酸化窒素1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppm
までのゾーン内またはそれ以下であること。
一酸化炭素1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、
かつ1時間値の8時間平均値が20ppm以下である。
光化学オキシダント1時間値が0.06ppm以下である。
浮遊粒子状物質
(SPM)
1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、
かつ1時間値が0.20mg/m3以下である。
微小粒子状物質
(PM2.5)
1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ
1日平均値が35μg/m3以下である。

環境基準の達成率

受験年の3年くらい前の年の環境基準達成状況が出題されています。

この分野も頻出なので、特に上の表でまとめた6つの大気汚染物質(二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、光化学オキシダント、浮遊粒子状物質、微小粒子状物質)の3年前の達成率は確実にチェックしておきましょう。

大気汚染の発生機構と発生源

大気汚染や公害の原因物質に関する内容やどのような設備から大気汚染物質が発生するのかが出題されています。

毎年2~3問出題されており、かつ出題される内容を絞りやすいので重点的に勉強したい分野の1つです。

大気汚染の発生機構

各大気汚染の主要な原因物質や発生機構が出題されています。

特にオゾン層破壊物質や温室効果ガスの中で誤っているものを答える問題は頻出なので、必ず覚えておきましょう。

各大気汚染の主要原因物質と発生機構をかんたんに下の表にまとめました。

大気汚染主要原因物質発生機構
光化学
オキシダント
オゾン自動車から排出されたNOxと炭化
水素を含むVOCが関与する
大気中での化学反応。
二次生成
粒子状物質
陰イオン:硫酸イオン、硝酸イオン
塩化物イオンなど
陽イオン:アンモニウムイオン
ナトリウムイオンなど
大気中の化学反応で生成するものが
多い。
酸性雨硫酸、硝酸
(SO2、NOxが先駆物質)
SO2、NOxと気相でのOHとの反応
が特に重要である。
オゾン層の
破壊
CFC
HCFC
ハロン
四塩化炭素
1,1,1-トリクロロエタン
臭化メチル
ハロゲンを含む物質が成層圏の
強い紫外線で分解されてハロゲンを
放出しオゾンを分解する。
地球温暖化CO2
メタン
N2O
CFC-11
HFC-23
四ふっ化炭素
パーフルオロカーボン
三ふっ化窒素
六ふっ化硫黄
地表面から放出された赤外線を吸収
することで地表面に戻されるエネルギー
が増加して地表温度が上昇する。

大気汚染物質の発生源と発生量

各大気汚染物質の発生源や発生量が出題されています。
ほぼ毎年出題されており、出題頻度が高いので必ず勉強しましょう。

よく出る有害物質の発生源を下の表にまとめました。

有害物質発生源
カドミウム及びその化合物亜鉛製錬
合金・はんだ製造
カドミウムめっき
塩素及び塩化水素塩素ガス製造・処理
塩素化炭化水素の製造・処理工程
ふっ素、ふっ化水素及び
ふっ化けい素
アルミニウム製錬
ガラス溶解炉
りん酸酸系肥料製造工程
焼成炉
鉛及びその化合物鉛製錬
クリスタルガラス溶解炉
陶磁器焼成炉
窒素酸化物各種燃焼装置
内燃機関
硝酸、テレフタル酸の製造工程
肥料、爆薬、薬品の製造工程

加えて、施設別で排出される有害物質が問われることもあります。

過去に出題されたことのある施設を下の表にまとめました。

施設排出される有害物質
ボイラーばいじん、SO2、NOx、CO、炭化水素類
ごみ焼却炉ばいじん、NOx、塩化水素、CO
炭化水素類、ダイオキシン類
汚泥焼却炉一酸化二窒素
コークス炉ばいじん、SO2、CO、ベンゼン
塗装施設トルエン、キシレン、酢酸エチル
メチルイソブチルケトン
印刷施設トルエン、キシレン、酢酸エチル
イソプロピルアルコール
クリーニング施設石油系溶剤、テトラクロロエチレン

大気汚染による影響

大気汚染によって人や動植物へどのような影響があるか、あるいは過去に起きた大気汚染による災害事例などが内容に含まれています。

毎年1問は出題されています。

参考書を見ると分野が広く様々な内容が記載されていますが、過去に試験に出た範囲は割と絞られますので勉強しやすい分野です。

主要大気汚染物質の健康影響

主要な大気汚染物質に関する内容が出題されています。
この分野の他の2つに比べると出題頻度は低いです。

過去にはSO2や石綿(アスベスト)が出題されていますが、設問の内容が他の分野と被ることもあるため、特別に勉強しなくても自然と覚えていることがあります。

優先順位は低めです。

大気汚染の人に対する影響

人に対する影響が出題されています。
例年、人か植物かどちらかへの影響から出題されることが多く、重要な分野です。

大気の話なので、特に吸引したときに呼吸器系にどのような影響が出るか勉強しておきましょう。

大気汚染の植物に対する影響

植物に対する影響が出題されています。
人に対する影響と同じく頻出分野なのでよく勉強しましょう。

大気汚染物質によって植物に与える影響がどのように異なるのかがよく出題されています。
下の表に植物被害の症状と各汚染物質の特徴、感受性の高い植物をまとめました。

汚染物質症状植物への
毒性
感受性の高い植物
オゾン小斑点、漂白斑点、色素形成
生育抑制、早期落葉
強いタバコ、アサガオ、ホウレンソウ
サトイモ、ラッカセイ、インゲンマメ
トウモロコシ、ハツカダイコン
PAN葉裏面の金属色光沢現象強いペチュニア、フダンソウ
NO2葉脈間の白色・褐色、
不定形斑点
中程度-
SO2葉脈間不定形斑点、クロロシス
生育抑制、早期落葉
中程度アルファルファ、ソバ、ゴマ、アカマツ
ふっ化水素葉の先端・周縁枯死
クロロシス、落葉
強いグラジオラス、ブドウ、ソバ
塩素葉脈間等漂白斑点、落葉強い-

国又は地方公共団体の大気汚染対策

この10年間でこの分野から出題されたことはありません。
他の分野の勉強に力をいれましょう。

まとめ

おさらいで全体の出題範囲を下の表に示します。

出題分野問題数
大気汚染防止法2~4
大気汚染の現状2~4
大気汚染の発生機構と発生源2~4
大気汚染による影響1~2
国又は地方公共団体の大気汚染対策0
合計10

点を稼ぎやすい"大気汚染の現状"や"大気汚染の発生機構と発生源"を重点的に勉強しつつ、範囲の広い"大気汚染防止法"をいかに攻略するかがポイントですね。

詳細な内容については参考書や過去問で繰り返し確認して覚えましょう。