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化学工学 伝熱 参考書

【伝熱の参考書5選】化学メーカーの設計担当者がおすすめ紹介

2021年3月22日

概要

化学メーカーの実務担当者であるブログ管理人が普段参考にしており、おすすめできる本を紹介します。
今回は伝熱です。

化学メーカーで伝熱を計算する場合、対象機器の内訳は私の経験上

・熱交換器:7割
・反応器、反応槽:2割
・その他(加熱炉等):1割


といったところです。
だいたいは熱交換器の伝熱計算をやっています。

これから伝熱の勉強をする初学者の人も、自分が将来仕事でどういう機器の計算をする可能性が高いのかは知っておいて損はありません。

例題でよくわからない平板間の伝熱計算をするくらいなら、熱交換器の伝熱をピンポイントで勉強した方が役に立つ可能性はずっと高いです。

参考書紹介

お世辞にも初学者向けとは言えないような参考書ばかりランクインしています。

内容が難しいから、というよりは値段が高いのです。
試しに勉強してみよう、という気分で買う値段ではありません。しかし実務で役に立つことが多く載っており、高い分の価値はあります。

伝熱系の安い参考書だと2,000~3,000円くらいでありますが、実務で使えるような内容までは載っていません。
ただ、大学で単位を取るために勉強する目的なら安い参考書で良いと思います。

将来的に化学メーカー等の製造業に入社することを考えているなら、どれか1冊でもバイブルとして持っておくことをおすすめします。

1位:"熱交換器設計ハンドブック"

出版社工学図書
出版年2000年
著者尾花英朗
ページ数1260
価格25,300円(税込)

ハンドブック系その1です。圧倒的によく使います。

タイトルにある通り熱交換器の設計に関してシェルアンドチューブ、二重管式熱交換器、プレート式熱交換器、スパイラル式熱交換器等、幅広い種類の情報が載っています。

また、熱交換器だけでなく槽型反応器の伝熱式についても載っており、伝熱計算で困ったときに見れば何かしらのヒントを得ることができます。

これ1冊の内容を熟知することができたなら、定年まで熱交換器の設計で困ることはないでしょう。
そのくらいのボリュームと内容があります。

2位:"熱交換器ハンドブック"

出版社日刊工業新聞社
出版年1965
著者熱交換器ハンドブック
編集委員会(編)
ページ数776
価格絶版・中古のみ?

ハンドブック系その2です。1位と名前が紛らわしいです。

1位のハンドブックは伝熱計算寄りの内容でしたが、2位のハンドブックは熱交換器の設計に内容が寄っています。

もちろん伝熱がメインの内容ですが、熱交換器の材質や腐食の話も書いてあります。

ただ、出版年が古くもう絶版になっているようです。Amazonと楽天の検索リンクを上に貼っていますが、私が調べたときには中古すらヒットしませんでした。

良書ですので、中古で出回ることがあれば私が買いたいくらいです。
部署異動になると見れなくなりますからね。

3位:"熱計算ハンドブック"

出版社日本能率協会
出版年1988
著者高松武一郎(監修)
ページ数1260
価格絶版・中古のみ?

ハンドブック系その2です。

ドイツの熱交換器の参考書であるVDI Heat Atlasの日本語訳バージョンです。

理論的な解説は少なめで、各ケースに応じた伝熱計算式が多く記載されています。
このハンドブックでしか見たことがないような式が多いイメージで、他の2つのハンドブックとは違った価値があります。

この本もおそらく絶版で、Amazonに中古品があるのを見かけました。
欲しい人はお早めに。

4位:"PERRY'S CHEMICAL ENGINEER'S HANDBOOK 9TH EDITION"

出版社McGraw-Hill
出版年2018
著者Don W.Green(編集)
ページ数2272
価格電子書籍版:19,645円(税込)

Perryのハンドブックの最新版です。圧倒的なまでの分厚さと重さで威圧感があります。

化学工学便覧の欧米板といったところでしょうか。
しかし内容は比べるまでもなくこちらの方が良いです。

伝熱に特化した参考書ではないので伝熱の項目についてはさすがに1~3位の参考書に劣ります。
しかし伝熱や蒸留、撹拌などの化学工学の各単位操作について、かなりのクオリティで書いてありますのでオススメです。

Perryのハンドブックの内容を全て熟知できる化学工学力と英語力があれば、生産技術職において定年まで何一つ不自由しないでしょう。

個人的には大学4年間の勉強時間を全てこの本に費やしてもお釣りがくると思います。

しかしながら大きくて重く、運びづらいし見づらいのが難点です。
Amazonで調べると電子書籍版があるみたいです。この本に関しては電子書籍の方が良いかもしれません。

5位:"化学工学便覧 改訂7版"

出版社丸善出版
出版年2011
著者化学工学会(編)
ページ数1146
価格39,600円(税込)

最低限、化学工学便覧と呼べるくらいの内容は書いてあるかな、と思います。

化学工学便覧から引用するとなんとなく信頼度が高いので使うことがあります。
ただ、やはり物足りない感じがします。

Amazonで調べると高かったので、丸善出版の公式サイトから買った方が良いと思います。

まとめ

私が実務で使用している伝熱の参考書を紹介しました。

どれも決して安くはないですが、一生使えるレべルの内容です。
安い教材を何冊も買うよりはどれか1冊買った方が結果的には得だと思います。