概要
UNIQUAC(Universal Quasi Chemical)式とは活量係数を算出するモデルの1つです。
活量係数モデルの中では比較的新しく、1975年に提案されています。
$${\rm{ln}}γ_{i}={\rm{ln}}γ_{i}^{C}+{\rm{ln}}γ_{i}^{R}・・・(1)$$
活量係数γを分子の大きさや形に依存するパラメータγCと、分子間相互作用を表わすパラメータγRの大きく二つに分けています。
$${\rm{ln}}γ_{i}^{C}={\rm{ln}}\frac{Φ_{i}}{x_{i}}+\frac{z}{2}q_{i}{\rm{ln}}\frac{θ_{i}}{Φ_{i}}+l_{i}-\frac{Φ_{i}}{x_{i}}\sum_{j=1}x_{j}l_{j}・・・(2)$$
$$l=\frac{z}{2}(r_{i}-q_{i})-(r_{i}-1)$$
Φ:表面積分率、x:モル分率、q:分子表面積、θ:体積分率
z:定数(z=10)、r:分子体積
γCは(2)式で表されます。
また、γRについては、
$${\rm{ln}}γ_{i}^{R}=q_{i}[1-{\rm{ln}}(\sum_{j=1}θ_{j}τ_{ji})-\sum_{j=1}\frac{θ_{j}τ_{ij}}{\displaystyle\sum_{k=1}θ_{k}τ_{kj}}]・・・(3)$$
τ:2成分間パラメータ
(3)式で表されます。
Wilson式やNRTL式と比べるとかなり複雑な式となっていますね。
このレベルの式になるとエクセルで計算するのは現実的ではなさそうです。
しかし商用のシミュレーターを使用すれば、ある程度ユーザーの手間は減るのでオススメです。
UNIQUAC式を使用するメリットとしては、活量係数γ<1となる分子間に親和力が発生する系に適用できる点が挙げられます。
Wilson式やNRTL式はγ>1となる分子間に反発力が発生する系は概ね表現することができますが、γ<1となる系を表わすことは難しいと言われています。
デメリットはやはり式が複雑な点です。
Wilson式やNRTL式でも十分に表現できる系であれば、やはり式の形状が簡単な方を使用するのが良いでしょう。