技術記事 参考書

【撹拌の参考書5選】化学メーカーの設計担当者がおすすめ紹介

概要

化学メーカーの実務担当者であるブログ管理人が普段参考にしている本の中でおすすめを紹介します。今回は撹拌です。

化学工学の他の単位操作と比較して、撹拌は体系化が進んでいない分野だと言われています。

撹拌槽内の3次元的な流体の動きは、コンピュータによるシミュレーションでないと正確に計算することができません。

しかし毎回コンピュータで計算していては時間がかかりますし、そもそも昔は3次元の計算ができる性能のコンピュータはありませんでした。

そのため、昔の研究者は様々な条件で実験し、よく出てくる流れのパターン(フローパターン)を撹拌翼ごとにまとめていました。

加えて撹拌にかかる動力や伝熱を定式化し、計算できるようにする。
撹拌の体系化はだいたいそんな感じで進んできました。

とはいえ撹拌条件は無数に存在するため、体系化できている分野は数ある撹拌条件のうちの一部です。

今後は実験をする代わりにコンピュータによる計算結果を体系化し、撹拌の知見としてまとめる時代がくるような気がします。

参考書紹介

撹拌の参考書は他の分野と比べて数が少ないように思います。

そんな中で実務で使用することのある参考書を紹介します。
実務で使える良い参考書は、設計に使える式がたくさん載っているものです。

 

1位:"撹拌技術"

出版社佐竹化学機械工業
出版年1992年
著者山本一夫(監)
西野宏(監)
ページ数633
価格25,000円

国内撹拌機メーカー大手の佐竹化学機械工業から出版されている参考書です。
普通、このような内容はノウハウとして社内で保持することが多い中、よく一般向けに出版してくれたと思います。

撹拌の一般的な知識から撹拌機の選定や構造の話まで幅広い内容が載っています。
一生使えるレベルなので25,000円でもお買い得です。

公式サイトから問い合わせれば購入できます。

 

2位:"ミキシング技術の基礎と応用"

出版社三恵社
出版年2008年
著者化学工学会(監)
ページ数251
価格2,625円

初学者向けの参考書の値段ですが、内容は中級者向けです。
値段の割には内容が濃く、本格的に撹拌を勉強したい人にはオススメです。

撹拌の参考書はたまに学術的に寄った内容の本があり、実務には全く参考にならないことがあります。

しかしこの本は撹拌槽の設計に役立つ内容が多く、ページ数の少なさを感じさせません。
1位の本を買う前にまずはこの本で勉強してみるのが良いと思います。

 

3位:"操作事例/製品用途を踏まえた 攪拌技術とトラブル解決"

出版社情報機構
出版年2007
著者谷口 彰敏(発)
ページ数245
価格絶版・中古のみ?

攪拌にお詳しい大学の先生や各メーカーの方がテーマごとに執筆して作成された参考書です。

メーカーの著者が多いので、非常に実用的な内容となっており撹拌槽の設計に役立つと思います。
撹拌翼の特徴や選定から、実際のトラブル事例まで幅広い内容が記載されています。

しかし割と最近発売されたにも関わらず、ネットには高い中古しかないようです。
社会人なら会社の予算で買うのも全然ありです。

 

4位:"Fluid Mixing Technology"

出版社McGraw-Hill
出版年1983
著者James Y. Oldshue
ページ数564
価格絶版・中古のみ?

撹拌専門の洋書です。
内容としては1位の"撹拌技術"が洋書になった感じでしょうか。かなりボリュームがあり、様々なシチュエーションの撹拌について解説されています。

洋書なので日本ではあまり見かけない撹拌翼や撹拌形式が少し含まれていますが、大いに参考になると思います。

ただ、古い本なので絶版になっている可能性があります。
Amazonで中古本を見かけました。

 

5位:"PERRY'S CHEMICAL ENGINEER'S HANDBOOK 9TH EDITION"

出版社McGraw-Hill
出版年2018
著者Don W.Green(編集)
ページ数2272
価格20,229円

Perryのハンドブックの最新版です。撹拌分野でもランクインしました。

撹拌翼の絵や写真が載っているのでわかりやすいです。
ただ、日本語で内容をある程度理解していないと読み進めるのは難しいと思います。

中級者以上向けの参考書です。

 

まとめ

私が実務で使用している撹拌の参考書を紹介しました。

1位~3位の本は日本語で詳しい内容が書いてありますので、これから撹拌を勉強したい人には特にオススメです。

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